The weight of time!
日本のインテリ層、エスタブリッシュメントの1部には、「ヨーロッパは旧植民地の保持により、力を得たのであり、それが無くなった現在、斜陽に傾くものであり、特段の気遣いは無用ではないか?」と言う意見がある。
確かにそれは否定できない!しかし100%そう言い切ることは、いささか短絡的ではないか?という気がする。
確かにフランス、ドイツ、イタリーオランダ、オーストリア等個々の国と日本を対比するならば、国のファンダメンタルズ、科学技術などあらゆる面において、日本の方が各段に上であろう!
しかし、フランス、ドイツ、イタリー等が結束すれば、話は少し違ってくる。枯れ木も山の賑わいと言っては何だが、やっぱり手ごわくなる。
そもそもヨーロッパ連合とは、アメリカ、ロシア、引いては日本など強力な国々と対抗するために結束し創られたたものであり、ヨーロッパ各国の自戒の念が根本にある事を理解していた方がベターだ!
確かに、ヨーロッパ各国を1つ1つは大した事はない、どう見たって日本の方が上だ!しかし束になれば、ちょっと待て!ということになる。
また、日本がどうしてもヨーロッパに勝てないものが1つだけある。それは時の重さである。ヨーロッパは百年戦争があり、普仏戦争があり、ルネッサンスがあり、宗教改革があり、産業革命があり、大航海時代があった。
その頃、日本は中世から近世に至る、国家の発育とい大切な時期に、鎖国をしてしまった。愚かしい事をしたと思う。鎖国が100%悪だというつもりはないが、やはりマイナス面が大きい!
ヨーロッパは地続きゆえ。鎖国などしたくてもできない!おそらく、鎖国という概念すらないであろう!
日本は明らかに遅れをとった。しかし現代において、日本はそれを克服し、さらに凌駕できるかどうかという分岐点に位置していると言えよう!
ヨーロッパ人は陰険な所がある。何を企んでいるか分らない!また、キリスト教社会、旧王族、貴族のコネクションは現在でも生きている。裏で繋がっているという表現は適切かどうかは分らないが、日本人が一種入りきれない空間がある事は否定できまい。
良く言えば、ヨーロッパは、アメリカ、日本の先輩である。日米あるいは日中で何か問題が発生し、立ち行かなくなった時、「じゃーヨーロッパの意見を聞いてみよう!」となる。失礼かもしれないが、タンザニアやパプアニューギニアの意見をきいてみよう!とはならない。
時の重さ、歴史の重さは、一朝一夕には解決できないものだ!
諏訪内晶子は、チャイコフスキーコンクールで優勝を果たした。その後、CDデビューするか、ヨーロッパの有名楽団と共演するか注目されたが、どちらも選択せず、ジュリアード音楽院(ニューヨーク)に留学した。その答えを諏訪内晶子は「ヨーロッパの歴史の重さに備えるためだ」と言っていた。この言葉には実感がある。
ヨーロッパに心酔してもいけないし、侮ってもいけない! 冷静な分析と対応が必要となろう!
花のがくと
0コメント