Complete summary 11 !
先般、ポツダム宣言の骨子から、日本国憲法の成立過程を分析した。
この時、大反響でしたね。
再度、この観点から日本国憲法を分析しよう。
ポツダム宣言は13項目から構成されている。
日本が敗戦を受け入れる文書だから、悔しいという気持ちはあるけれど、
どこをどう分析しても、至ってまとも文書だ。
ポツダム宣言の項目を3つに集約する事ができる。
1、日本の無条件の武装解除、
2、捕虜虐待者及び戦争犯罪人の処罰、
3、日本国民の自由に表明する意思と、平和的傾向の政府が樹立するにおいて、
占領の即時撤退、
さて、このポツダム宣言、至ってまともだけれど、大きな矛盾をはらんでいる。
その事については後段で述べる事にしよう。
私は米国内で日本の軍人さんが、全く見事に戦ったという見解がある事を知っている。
太平洋を挟んで米国と4年間戦争をしたのだから、そりゃー立派ですよね。
ただ、結果は大敗北なのだから、私は軍人さんは嫌いだ。
さて、米国はポツダム宣言する中で、日本を民主化させなければならないのだから、
まずは新しく憲法の作成の手助けをしなければならない。
米国は、必死になって日本人に作らせようとしている。
近衛文麿、幣原首相、松本博士、
米国は期待していたところもあったはずだ。
米国と立派に戦った日本人は必ず立派な憲法を作るはずだ!と。
ところが松本蒸治博士が持ってきた憲法草案は明治憲法と殆ど変わらなかった。
米国は大きな落胆と焦燥感に覆われている。
そうでしょね!分かりますよその気持ち!
松本博士はボケていたのか、あるいは勇気があったのか?
どちらにしても問題だ。
読者諸氏には米国の立場で考えて欲しい。
そうすれば話が分かり易いと思う。
ポツダム宣言には、「日本国民の自由意思と平和的傾向のーー」
とあるので、米国は日本に憲法を押し付ける事も、指示する事もできないのだ!
松本草案に対しても「これは民主的な草案ではないですね!」というのが精一杯だ。
それ以上表現を強くすれば、ポツダム宣言不履行で重大問題だ。
戦争を再開する訳にもいかないだろうし。
その時、米国は気づいたのだろう、ポツダム宣言には大きな矛盾があると。
あるいは日米両政府が同時に気づいいたのかもしれない。
いずれにしても、日本政府が訳の分からぬ松本草案を閣議決定すればアウトだ!
閣議決定とは、間接的でも日本国民の自由意思となるのであり、
仮にそうなった場合、平和的な憲法は定着せず、日本国内において軍国主義は排除できなく
なるのであるから、表現としては万事休すだ。
大きな焦燥感と記したけれど、米国はほとんど顔面蒼白だっただろう!
ゆえに米国は大急ぎで事を進めたのであろう。
米国は松本草案を事実上拒否したのだけれど、
厳密にはそれさえもポツダム宣言不履行だ。何故、米国は頑張る事ができたのだろう?
大きな理由があった。花のがくと君はさすがに頭が良いですね!
松本草案が米国に公開された時、すでに昭和天皇が人間宣言をしていた。
昭和天皇の人間宣言とは、文字通り、それまで天皇が称していた神性を自ら否定したもの
だ。昭和天皇が自ら神性を否定したのなら、明治憲法の大眼目「天皇は神性にして侵すべか
らずーー」を否定しているのであるから、すなわち昭和天皇自身が明治憲法を否定したのだ
から、その後に、松本博士(当時国務大臣)が明治憲法と変わらぬ憲法草案を持ってくるの
はおかしいじゃないか!という論法だ。
私は筋が通っていると思うし、米国の主張は最もだと思う。
だからと言って、ポツダム宣言において、米国は自ら憲法を作成し、押し付ける事も、指示
する事もできない立場だし、同時に日本政府が訳の分からぬ憲法を閣議決定したら、
その時点で万事休すなのであるから、米国の顔面蒼白の状態は続いたであろう。
ゆえに米国は大急ぎで日本の憲法問題に取り掛かったのだと思う。
花のがくと
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